
ワケもなく
仔猫毎度です。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーの保健体育担当、ブロッケンです。
さそうあきら原作の映画『
俺たちに明日はないッス』を観ました。
猛り狂う10代のリビドーのほとばしりに焦点を合わせた、いわゆる“性”春映画というものは、
それこそ掃いて捨てるほど多く存在しますが、それらの多くは、例えば『
69-sixty nine-』や
『
グミ・チョコレート・パイン』のように《リビドー + 音楽》だったり、『
おっぱいバレー』のように
《リビドー + スポーツ》であったりと、『性』以外のファクターと一体となって成立しているもの
なのですが、この『
俺たちに明日はないッス』は、徹頭徹尾、いさぎよいまでに、『性』だけで
構成された、まさしく純・性春映画と呼ぶに相応しい内容になっております。
病弱な同級生・トモノとヤリたくて仕方ない『ヒルマ』(
柄本時生)、巨乳の美少女に思いを
寄せられるデブの『安パイ』、そしてセックスに興味津々の女『チズ』(
安藤サクラ)に
翻弄される『峯』(
遠藤雄弥)。 三者三様の『性のめざめ』が、夕方の再放送のドラマの
ような暗く粗い画面の中で、気だるく、淡々と繰り広げられて行きます。
このテの映画の場合、作り手の幻想や思い入れが色濃く反映されやすい為、ヒロインの
女のコが、まるで天使か女神の様な描かれ方をする事が多いのですが、この映画に登場
する女のコ達には、そのような幻想を抱く余地など皆無。 ビックリする位フツーです。
この辺の、女性に対するドライでニュートラルな眼差しというのは、監督が女性(
タナダユキ)
であるという事が多分に影響しているのではないか、と。
映画の終盤、曇天の渚で波と戯れるトモノと、それを眺めながら、勃たないチンポを必死に
シゴくヒルマ…という、字面だけ追ったら完璧に意味不明なシーンがあるのですが、この
場面には、特殊漫画家大統領・
根本敬氏いうところの『
マヌケ美』が、はっきりと息づいて
おりました。 バカでスケベで心底クダラナイのに、美しくて儚いもの=青春。そのヴィジョンを
これほどまでに的確に切り取った映画を、私は他に知りません。
おまけに主題歌は、
銀杏BOYZによる
南沙織の『17歳』の超絶カヴァー。 もう、完璧でしょ。
◆◆オーラル学園 更新情報◆◆・アワビさん - 244 ・のらネコミック - 172
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テーマ:俺たちに明日はないッス - ジャンル:映画
- 2009/06/23(火) 11:18:27|
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