中川ホメオパシー 

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麻生久美子 加藤晴彦 小雪 / 回路

やわらかおじさん
ワケもなく変形


どうも。 ギャグ漫画ゲリラ・中川ホメオパシーのゆらゆら帝国担当、ブロッケンです。

黒沢清脚本・監督の映画『回路』を観ました。

園芸店で働くミチ(麻生久美子)の同僚が、原因不明の自殺を遂げる。 その事件を
境に、彼女の周囲の人間が一人、また一人と姿を消していく。 同じ頃、大学生の川
島(加藤晴彦)が自宅でインターネットを始める為にPCのセットアップを行っている
と、突如モニターに“幽霊に会いたいですか”というメッセージと共に、黒い袋をかぶ
った不気味な男の映像が映し出される。 ネットを媒介して加速度的に広がっていく
恐怖。 世界では今、何が起ころうとしているのか?…というあらすじ。

日本ホラー映画界の最重要人物・黒沢清監督の2001年の作品。 全編を通じてな
んともいえない閉塞感に満ちた、イヤ~な作品でございます。 “PCのモニターに映し
出される、黒い袋をかぶった男の素顔を見てはいけない”、“街中のいたる所に点在
する『あかずの間』に入ってはいけない”というのが本作におけるタブーであり、その
タブーを破った人間は最終的に自ら命を絶つか、もしくは黒いシミとなって消えてしま
うという“ルール”に則って物語は進んで行きます。

あかずの間のドアの隙間は赤いテープで塞がれており、中には“幽霊”が待ち受け
ているのですが、これは“ドアの隙間を赤いテープで塞いで密室を作ると、数日後
に部屋の中に幽霊が現れるようになる”という都市伝説をベースに考えられた設定
なんだとか。 麻生久美子の同僚(松尾政寿)が、うっかりあかずの間に入ってしま
い、その中で女の幽霊に遭遇する場面が、すこぶるイヤ~な感じなんですよ。 想
像を絶する恐怖ってワケじゃないんですけど、折にふれて何度もフラッシュ・バック
しそうな、ジワジワ来るタイプの恐怖というか。

しかも、いったんあかずの間に侵入した人間には、何処からか“あかずの間の作り
方”というファックスが送られて来て、その人間もまた新たなあかずの間を作り上げ
てから死に至るという、負の連鎖のオマケ(?)付き。 誰がそのようなファックスを送
りつけて来るのか、どうしてあかずの間の中には幽霊が居るのか、何故幽霊に遭
遇すると死んでしまうのか、黒い袋をかぶった男とは一体何者なのか…? これら
の謎に対する明確な答えが見つからぬまま、徐々に人々が街から消えてゆく様子
を、なす術もなく見守る事しか出来ない無力感と閉塞感が恐怖とごちゃまぜになっ
て、観ている内にマジで憂鬱になって来ます。 精神状態が不安定な方や、生の実
感が希薄な方がこの映画を観るのは冗談抜きでちょっと危険かも。 それぐらい強
烈に“死”について意識させられる内容です。

物語中盤で、『死者の世界にも容量の限度があって、行き場を失った死者達が新
たな居場所を求め、こちら側(人間)の世界にやって来たのが“幽霊”の正体なので
はないか』という仮説が、武田真治の口から語られます。 という事は、あかずの間
というのは、こちら側の世界における死者の居場所…という事になるのでしょうか。
やがて死者は、おぼろげな存在である事を止め、ネット回線を通じて活動の領域を
全世界へと広げていったという辺りまでは何となく理解できたのですが、それと引き
換えに世界から人間の姿が消えていった理由に関しては、とうとう最後まで分から
ずじまいでした。 分からないからこそ余計に怖いんですけどね。

そういえば、『』という作品も、最終的に世界から人間が姿を消すといった結末だ
った様に記憶しておりますが、黒沢清監督は“人類が消えて失くなる”という終末の
イメージに、よほど強いこだわりがあるのでしょうか。

それから、給水塔の上から女性が飛び降りるシーンも強烈なインパクトがありまし
たね。 幽霊の正体も、人々が消えゆく理由も、何もかもが曖昧で不可解なヴェー
ルに包まれているクセに、この自殺のシーンだけは飛び降りてから地面に叩きつ
けられるまでの一部始終が鮮明に描かれてるんだもん。 この先、“飛び降り自殺”
って単語を耳にする度に、このシーンを思い浮かべる事になるんだろうなぁ…。

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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/04/02(金) 17:46:59|
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