
ワケもなく
トラック野郎毎度です。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーのキヌガワマサト担当、ブロッケンです。
横山秀夫原作の映画『
クライマーズ・ハイ』を観ました。
1985年8月12日、群馬県山中に乗客524名を乗せた日航ジャンボ機が墜落した。 未曾有
の大惨事の報せを受けた『北関東新聞社』は、地元紙の意地とプライドをかけてスクープ記
事を“抜き”にかかる。 そして、今件の全権デスクに任命された悠木和雄(
堤真一)は、次々
と難しい選択を迫られる事になる…というあらすじ。
いやぁ、面白かった。“久々に手に汗握る”作品を観たって感じです。 つうか、登場人物の誰
もかれもが異様に殺気立ってて、常に半狂乱みたいになってましたけどね。 主人公であり、
日航機全権デスクの悠木(
堤真一)の趣味が登山なのですが、スクープという名の“山頂”を
目指す中で、コーフン状態が極限にまで達し、スタッフ全員で上述した様な狂乱状態に突入
していくさまは、まさに“
クライマーズ・ハイ”。作品の本質を的確に射抜いた、実に見事なタ
イトルだと思います。
墜落現場に赴き、現場の雑感を取りまとめようと泥だらけになりながら地獄の様な山中を這
いずり回る記者・佐山(
堺雅人)の熱演も見どころのひとつ。 山のふもと近くの民家に電話を
借りて、口頭で雑感を
堤真一に伝える一幕などは、ケータイもインターネットも無いこの時代
ならではのエピソードと言えましょう。 結局、この雑感は上からの圧力により一面トップを飾
る事なく終わるのですが、それを知った時の
堺雅人の恨みがましそうな顔が最高に胸キュン。
そんな捨て犬みたいな眼差しで見つめないでっ(*´▽`*)
また、事態の深刻性を考慮して紙面から広告記事を割愛すれば広報課と喧嘩になり、〆切
りが押せば販売課と喧嘩になるといった具合に、新聞を作るという事がいかにストレスフルな
作業かって事も痛感させられました。今作を観たら、かなりの確率で“こんだけ必死こいて作
ってるんだから、もっと真剣に新聞を読んでやらんとなぁ”って気分になる事と思います。
…でも、締め切りを遅らせる苦肉の手段として輪転機のカギをこっそり盗み出し、
皆川猿時率いる販売課と編集部が押しあいへし合いする場面なんかは、観てて思わず笑っちゃいまし
たけど。 何故か“ケンカ祭り”っつう単語がアタマをよぎったりして。
堺雅人らの執念の取材により、日航機墜落の原因は“
圧力隔壁の破壊が有力”という所ま
で突きとめるに至り、とうとう世紀の大スクープに王手をかける
堤真一。しかし、100%の確証
を得られないとして、彼が下した決断は、実に誠実なものでした。 ジャーナリストが血眼になっ
て追い求めなければならないもの…それは“スクープ”ではなく“真実”であるという、当たり前
の、しかし忘れ去られがちなメッセージがひしひしと胸に迫ります。
最後に一点。社会部長の等々力役に、エンケンこと
遠藤憲一が出演しておりますが、やはり
このお方の顔面力はハンパ無いッスね。最近じゃ善玉役としてキャスティングされる事も多く
なってきたエンケンさんですが、もの凄い形相で
堤真一の顔にグラスの水をひっかける
遠藤
憲一を観ると、“やっぱエンケンはこうでなくっちゃ”という妙な安心感に包まれます。 …いや、
“
白い春”で演じていた町のパン屋さん役のエンケンも、違和感アリアリで大好きなんスけど。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2010/02/20(土) 12:18:39|
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