
ワケもなく
森林伐採どうも。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーの館ひろし担当、ブロッケンです。
三木 聡監督の映画『
ダメジン』を観ました。
…この作品、ストーリーを要約すんのが超ムズカシイなぁ。 つうかこの映画に関して言えば、
ストーリーなんざ単なる飾りというか、あってもなくってもオッケーの世界なんだと思います。
『個性的』などという、およそ個性に欠ける形容では到底説明のつかないような濃い~キャラ
クター達が、ダラダラと、しかし絶妙の間で脱力ネタ(やや病的なのがポイント高し)を次々と
繰り出すさまを、一緒ンなってダラダラ、ニヤニヤしながら楽しむ…ってのが、最もこの映画に
ふさわしい接し方なんじゃないかな、と。 つうか
三木 聡監督の作品って、概してそういう構造
ですよね。 常に優先すべきは“緊張”よりも“弛緩”、そして“本質”よりも“周辺”というか。
映像特典のインタビューでの、三木監督の『自分は“
ゴジラ”みたいな作品は撮らないけど、
もし仮に撮るとしたら、
ゴジラの屍骸をグルリと囲んだ連中が、“この屍骸…どうしよっか?”
って、途方に暮れながらアレコレ知恵を出し合う、みたいな方向に行くと思う』というコメントに、
彼の創作に対する姿勢というか、哲学みたいなものが凝縮されていると思います。
緋田康人、温水洋一、片桐はいり、笹野高史、岩松了、ふせえり、村松利史、嶋田久作…と、
列挙しているだけで射精してしまいそうな特濃キャスト陣。
佐藤隆太、主役なんだけど完全に
喰われちゃってます。 他にも
市川実日子がヤクザと付き合ってるトルエン中毒の役だったり、
そのトルエンの影響で時折見える幻覚の役が
伊東美咲(!)だったり、何気に
岡田眞澄の生前
最後の映画出演作だったりと、とにかく見どころの多いキャスティング。 個人的には
笹野高史の“猫じじい”が衝撃的でしたね。 彼の
『インドには…ムードがある』という一言には心底シビれ
ました。 この先も事ある毎にフラッシュバックしそうな、まさにムード満点の名言でございます。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2009/10/03(土) 12:45:16|
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ワケもなく
阿修羅どうも。ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーのキラーカーン担当、ブロッケンでございます。
魚喃キリコ原作の映画『
blue』を観ました。
最初この『なななん』っつう苗字が全然読めなくてねぇ。 そういや昔、『
ナナナイン』って
ロックバンドが居ましたっけね。 のっけから余談全開で申し訳ないスけど。
高校三年の桐島(
市川実日子)は、クラスメイトで目立たない存在の遠藤(
小西真奈美)と
仲良くなる。 自分の知らない
セザンヌの絵や外国の音楽を次々に教えてくれる遠藤に、
いつしか桐島は強い憧れを抱くようになり、やがてその思いは淡い恋心へと変わっていく。
しかし、遠藤の好きな絵や音楽が、彼女が以前付き合っていた男の影響である事を
知り、桐島の憧れに幻滅と嫉妬が複雑に入り混じって行く…というあらすじ。
…この辺りの桐島の感情の推移、もう痛いほどよ~く分かります。 ええ、分かりますとも。
私も高校ン時、大好きだったコ(女子ですよ念のため)になんとか近づきたくて、彼女の
好きな音楽を熱心に聴いたりしてたんスけど、ある日その音楽が、彼女の好きな男子が
愛聴していた音楽だったという事を知るに至りまして。 大袈裟なんかじゃなく、あん時は
マジで絶望しましたよね。 文字通り『blue』ッスわ。 フフ。(遠い目)
同性愛や妊娠~中絶という、ショッキングな題材を扱っているにもかかわらず、昨今の
ケータイ小説にありがちな『愛と感動』方面に安易に帰結しないストーリー展開のおかげで、
作品の世界観に思いきり没頭する事ができました。
加えて
市川実日子の演技というか存在感そのものが非常に素晴らしかった。
彼女が目を伏せて、物憂げに頬杖をつくその仕草は、他のいかなる言葉よりも的確に、
10代の女のコが抱えているであろう『blue』を射抜いているんじゃないかな、と。
『blue』という言葉から連想されるイメージ―『海』、『空』、『不安』、『憂鬱』そして『未熟さ』の
すべてを静かに、そして正確に描いた、青春映画の佳作だと思います。
最後に一点。 遠藤(
小西真奈美)が桐島(
市川実日子)に薦める外国の音楽というのが、
アズテック・カメラの『
ハイ・ランド、ハード・レイン』っつうアルバムなんですけど、ここで
ネオアコをレコメンドする感覚も、すっごく『blue』ですよねぇ。 ウォーク・アウト・トゥ・ウィンター!
◆◆オーラル学園 漫画紹介◆◆・エマニエル変人テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2009/08/11(火) 14:37:46|
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