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ワケもなく
ノムさんどうも。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーのおせち料理担当、ブロッケンです。
三木聡脚本・監督の映画『
図鑑に載ってない虫』を観ました。
雑誌編集者の俺(
伊勢谷友介)は、死語の世界がどんなものなのか、実際に一度死んで
取材して来いというメチャクチャな依頼を受け、知り合いのアル中・エンドー(
松尾スズキ)と
リスカ癖のある元SM嬢・小夜子(
菊地凛子)と共に“死にモドキ”という虫を探し始める。
死にモドキをじわじわと水で溺れさせ、その時に発する体液を飲めば、一度完全に心臓が
停止した後、再び蘇生するらしいのだが…というあらすじ。
よく“随所に小ネタを散りばめた”なんて表現を耳にする事がありますが、この『
図鑑に
載ってない虫』は“小ネタを散りばめた映画”ではなく、ズバリ“小ネタばっかの映画”
です。核心よりも周辺、幹よりも枝葉に強い執着を見せるのが
三木聡監督の芸風であり、
彼の全作品に通底する、いわば哲学と言えるのですが、その中でも今作は飛び抜けて
蛇足指数の高い一本。ストーリーを展開させる上で必要な情報と本筋に無関係な情報の
割合がおよそ3:7ってトコロでしょうか。
タランティーノだってそこまでやんねぇだろって
位に無駄・無意味・無益のオン・パレード。 “床にブチ撒けた塩辛が
ニコラス・ケイジの
顔に見える”だの“電話ボックスにビッシリ貼られた風俗のチラシがモナリザの顔に見え
る”だのといった、狂人の寝言スレスレの小ネタを絶え間なく浴びている内に、感性のネ
ジがバカになって行く様な、ダラシの無い快感がひしひしとこみあげて来ます。
また“脇役のキャラがあまりにも濃すぎて、主役の存在感が薄れてしまう”というのが三
木作品の特徴ですが、今作もその例外ではありません。
松尾スズキ、
岩松了、
ふせえり、
松重豊、
村松利史、
森下能幸、
笹野高史といった超・個性派キャスト陣の怪演に、
伊勢谷友介、思いっきり喰われちゃってます。
さらに“乞食の巣”だとか“
菊地凛子の手首のリスカの痕を利用してワサビをすりおろす”
といった、極めてダークかつ不謹慎なネタを、他のしょうもない脱力ネタの中にしれっと
織り交ぜてくるのが今作の最大のポイント。 つうかボク、ためらい傷をネタにして笑いを
取りに来る映画なんて、生まれて初めて観ましたよ。 他にも
松重豊がカンボジアで出逢
った恋人が、意味もなく浜辺で地雷を踏んで爆死(!)したり、美人編集長役の
水野美紀が
屁をこいた拍子にウンコを漏らしたりと、もう何でもアリ状態。 カンボジア=地雷=爆死と
いう極めて安直な発想を躊躇する事なくギャグに転化してしまう、その無邪気な感性がた
まりません。
ちゃんとした映画を“作れない”のではなく“作りたくない”三木監督の心意気と執念が
炸裂した最高にデタラメな一本。 決して万人受けするユーモア感覚だとは思いませんが、
ボクは断固支持です。 ガッテンガッテン!
最後に余談なんですけど、ウィキペディアによれば
松尾スズキ演じるアル中の男・エンドー
って、実はドラマ『
時効警察』にもさりげなくゲスト出演しているんですって。 マジかよ。
早速今から録り貯めといた『
時効警察』をチェックしてみよっと。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2009/12/31(木) 17:48:09|
- 映画レビュー
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