
ワケもなく
巨大化どうも。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーの佐木飛朗斗担当、ブロッケンです。
佐々部清脚本・監督の映画『
チルソクの夏』を観ました。 イイ映画でしたね。
時は1977年。 日韓親善陸上競技大会をきっかけに知り合った遠藤郁子(
水谷妃里)とア
ン・デホ(
スズキジュンペイ)は、淡い恋心を寄せ合う仲となる。そして来年の大会で再会
する事を約束した二人は、海を越えた文通を開始する…というあらすじ。
“
チルソク”とは、韓国語で“
七夕”という意味。一年後の再会を心待ちにする郁子とア
ン君は、さしずめ朝鮮海峡に隔てられた織姫と彦星というワケです。
それはさておき、主演の
水谷妃里の父親を演じるのが、あの“
みちのくひとり旅”でお馴
染みの
山本譲二氏なんですけど、そのジョージの職業ってのが、なんと流しの歌手(!)
だってんだからテンション急上昇。しかし、カラオケの登場により徐々に仕事の場を奪わ
れていくジョージ。で、腹いせに店のカラオケの機械をブッ壊して、逆にヤクザに路上で
袋叩きに遭うジョージ。Vシネじゃねえんだから。その際、お返しとばかりに商売道具の
ギターをヘシ折られちゃうんだけど、その後で
山本譲二がポツリと呟いた『こんな商売…
もう終(しま)いじゃあ…』って一言、これが良かった。個人的にはこの一言が、今作におけ
る最大の収穫でございます(*´▽`*)
そんなキャラ立ち全開の父に対して、娘であり今作の主人公でもある遠藤郁子役の
水谷
妃里の影の薄さといったら! 明らかに物語の中核を担っているにもかかわらず、何故か
香り立つ脇役のオーラ。つうか実際に、
水谷妃里よりも同級生役の
上野樹里の方が圧
倒的に存在感があるんだもん。この頃の
上野樹里って、世間的にはまだまだ無名だった
頃で、現在よりも全然垢抜けてないにもかかわらず、
水谷妃里よりもはるかに目立ってい
るという珍現象。 うーむ。 何かこう、モヤモヤしたものが残るキャスティングではあります。
先程述べた“流しの歌手”や“文通”等々、現代日本から失われてしまった情緒溢れる文
化・風俗が数多く登場するのも今作の見所のひとつ。他にも、夜のベランダに立って、
山
口百恵の“
横須賀ストーリー”を仲良し四人組で合唱する場面なども、誰しもが流行歌を
口ずさむ事の出来たこの時代ならではのエピソードと云えるでしょう。 価値観の多様化
を極めた現代において、クラスメイト全員が口ずさめるヒット曲なんて、もはや皆無に等
しいですからね。
また、この映画では
イルカの『
なごり雪』が物語の重要な役割を担いますが、
イルカ本人
も担任教師役でチョイっと出演しております。 物語終盤、アン君が日韓交流会のステー
ジ上で、この歌を
水谷妃里に向けて歌うんですよ。日本語の歌を歌う事を禁じられていた
当時の韓国の時代背景と照らし合わせて考えた時、これはかなり勇気ある行動であり、非
常に感動的な場面…のハズなんですけど、アン君のカタコトの日本語で歌われる『
なごり
雪』が妙におかしくって、思わず大爆笑しちゃいました。 うーん、駄目なボク。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2010/01/12(火) 17:30:23|
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