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ワケもなく
地獄大使毎度です。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーのおみやさん担当、ブロッケンです。
相米慎二監督、
薬師丸ひろ子主演の映画『
セーラー服と機関銃』を観ました。 今か
らさかのぼる事29年前、1981年の作品でございます。
平凡な女子高生・星泉(
薬師丸ひろ子)が、ひょんな事から老舗ヤクザ一家・目高組(め
だかぐみ)の四代目組長を襲名してしまう。やがて物語は、ひと包みのヘロインを巡って
警察から巨大な地下組織までを巻き込む大騒動に発展していく…。
赤川次郎原作に
よる空前の大ヒット作にして、故・
相米慎二氏の第2回監督作品。
さて、相米監督といえば“
長廻し”(ワンシーンをワンカットで撮影)の演出があまりにも有
名ですが、監督第2作目であるこの『
セーラー服と機関銃』の時点において、概にその
技法がほぼ完成の域に達しているという点に、改めて驚かされます。 特に、
薬師丸ひ
ろ子演じる星泉が、同級生や舎弟連中達と寺の境内でたむろしているシーンから始まっ
て、そこから境内の外へふらふらと歩き出し、ちょうど近くへ通りかかった暴走族のバイ
クを奪い取って夜のドライブに繰り出すまでの、およそ5分間にわたる一連の流れをワン
カットで収めた場面は圧巻。 このシーンに限らず、今作におけるシーンのほとんどが
長
廻しによって撮影されており、その無謀ともいえる試みの結果、作品全体に闇雲なエネ
ルギーと緊張感を与える事に成功しております。
『
カ・イ・カ・ン』や、『
ワタクシ、愚かな女になりそうです。マル』などなど、誰しも一度
はどこかで耳にした事のある名フレーズが収録されているのも今作の特徴。 各種文献
等に目をやると、『
カ・イ・カ・ン』と表記される事が多いようですが、実際の発音のリズム
的には『
カイ・カン』と表記した方が、より正確なんじゃないかと思うんですけど、如何でし
ょう?これらの必殺フレーズ以外にも『おたく等』、『YOU達』、『~なワケ?』といった、当
時の世相を反映した流行り言葉(今となってはことごとく死語)が頻繁に飛び出てくる辺り
が、僕的にはあるイミ『
カ・イ・カ・ン』だったりします(´∀`)
薬師丸ひろ子以外にも個性豊かな登場人物が多数出てくる『
セーラー服と機関銃』
ですが、中でもとりわけ
三國連太郎演じるマッドサイエンティスト・太っちょ(このネーミ
ングからして相当イヤな予感がしますが)の存在感たるや尋常じゃございません。今作
を目の当たりにすれば、
三國連太郎=『
釣りバカ日誌』の“
スーさん”というイメージ
がガラガラと音を立てて崩れ落ちる事間違いナシ。もうスゴイんだ、猿の脳ミソをパクッ
と頬張って『デリーシャス!』ってほくそ笑んでみたり、健常者のクセして、わざわざ義
足を使って歩行(!)してみたり。 おまけに
三國連太郎のアジトってのが、『
007シリー
ズ』に出て来るような、“いかにも!”って感じの秘密基地風なんですよねぇ。 で、挙句
の果てにはあっさり射殺されちゃうし。 人に歴史ありとはよく言ったものですが、あの大
物俳優・
三國連太郎が、まさかこんなアヴァンギャルドな役どころに挑戦していたとは
…こらもう一見の価値アリですぞっ。
このように今作は“
薬師丸ひろ子主演のアイドル映画”という体裁を取りつつ、実は
かなり無謀かつ実験的な試みが随所でなされております。 大衆性と前衛性を半ば
強引に両立させつつ、興業収入的にも破格の大成功を収めるという離れ業をやって
のけた相米監督は、以後、『
ションベン・ライダー』、『
魚影の群れ』、そして『
台風ク
ラブ』といった作品をたて続けに発表し、表現の進化と深化を並行して推し進めていく
スリリングな季節に突入していくのであります。
カ・イ・カ・ン(*゚∀゚)=3ハァハァ
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2010/04/23(金) 17:55:06|
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