
どうも。 ギャグ漫画ゲリラ・
中川ホメオパシーの乱反射ガール担当、ブロッケンです。
三木聡脚本・監督の映画『
インスタント沼』を観ました。
ジリ貧でリアリストのOL・沈丁花ハナメ(
麻生久美子)は、自らが手がける雑誌が
廃刊に追い込まれたり、母親(
松坂慶子)が沼に落っこちて生死の境をさまよった
りと、文字通り“ドロ沼”な毎日を送っていた。 ひょんな事から手に入れた一通の
古い手紙を頼りに、ハナメは生き別れの父親かもしれない男・沈丁花ノブロウ(
風
間杜夫)の元を訪ねる。 骨董屋を営むノブロウのイイ加減な性格に呆れっぱなし
のハナメ。 しかし、次第にハナメ自身も骨董に興味を持ちはじめ、ついに自ら骨
董屋を開業する事を決意する。 しかし、なかなか商売が軌道に乗らず、クサる
ハナメ。 そんなハナメに対してノブロウは、『物事に行き詰まったら 水道の蛇口
をひねれ!』という謎の教えを伝授する…というあらすじ。
ドラマ『
時効警察』シリーズをはじめ、
三木 聡監督の関連作品は、ほとんどチェ
ックしております。エッヘン。 で、前作『
転々』も、三木監督の持ち味である脱力
ユーモアとおびただしい蛇足、そしてほんの少しのせつなさが絶妙にブレンドされ
た、大好きな作品でした。 そして今作『
インスタント沼』ですが…うーん、思って
た程グッと来なかったんだよなあ。
もちろん随所に散りばめられた小ネタの数々にはいちいちニヤリとさせられました
し、三木作品にゆかりのある個性派キャスト(
岩松了・
ふせえり・
江口のりこ・
笹
野高史ほか)もズラリ総出演だし、主演の
麻生久美子はオシャレでカワイイしで、
決して退屈だったって訳じゃないんスけど、なぜか胸に残るモヤモヤ感。
加瀬亮演じる草食系パンクロッカーの“ガス”も、“あの
加瀬亮が、こんなトンガっ
た格好をしてる”というギャップ以外に、取り立てて面白味の無いキャラで、胸の
モヤモヤはさらに加速する始末。 うーむ。
“無意味である”という事を徹底的に追究するのが三木作品の特徴で、それこそ
がボク的に一番シビレるポイントだったりするんですけど、この『
インスタント沼』
に関して言えば、いまいち無意味指数が低いように感じたんですね。 ついでに
言えば不謹慎指数も低かった。 で、それらが低下した分だけ新たなサムシング
が作品に付加されていたかっつうと、正直そんなんでもなかったりして、その辺り
のどっちつかずな感じが、胸のモヤモヤを誘発してたんだと思います。
久しぶりに再会した憧れの先パイが、見るも無残なうすらハゲになってたり(
亀は
意外と早く泳ぐ)、手首のリスカの傷痕を利用してワサビをすりおろしたり(
図鑑に
載ってない虫)といった、“意味なんか無いし、笑ってイイ所なのかどうかも怪しい
んだけど、笑わずにはいられない”シチュエーションを描く天才=
三木聡のデタラ
メなユーモア・センスを、遠慮せずにもっともっと見せつけて欲しかった。 そうす
れば胸のモヤモヤなんか 一瞬で消し飛ぶのに…みたいな気持ち悪いポエムを、
彫刻刀かなんかで教室の机に刻み付けたい。 そんな気分でございます。
…あ、でも
松阪慶子が映画の冒頭で何気なく言った『たまには、ありえないモノ
とか見なさいよ?』というセリフは、何故かジーンと来ました。 つうか俺も、ありえ
ないモノとか沢山見たいですよ。 たとえば…UFOとかぁ、幽霊とかぁ、つかみあ
いの大ゲンカしてる
W浅野とかぁ、手ェつないで空中遊泳してる
W浅野とかぁ。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画
- 2010/05/15(土) 13:59:37|
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