中川ホメオパシー 

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峯田和伸 黒川芽以 松田龍平 / ボーイズ・オン・ザ・ラン

モヒちゃん
ワケもなくモヒカン


『ボーイズ・オン・ザ・ラン』


《あらすじ》
うだつの上がらないダメサラリーマン・田西敏行(峯田和伸)は、弱小玩具メーカーに勤め
る29歳。 商品企画部の同僚・ちはる(黒川芽以)に淡い恋心を寄せているが、どうアプロ
ーチしていいかわからない。 そこで彼は営業先で知り合った大手ライバルメーカーのエ
リート営業マン・青山(松田龍平)に相談を持ちかける。 青山の手ほどきで少しずつ距離
を縮めていく田西とちはる。 しかし、風邪で寝込んでいるちはるを見舞いに行った田西は
そこで決定的な過ちを犯してしまう…。 監督・三浦大輔。 


《極私的見解》

・ うう…これは痛い! 痛すぎて直視してらんない位におぞましい青春&性春模様が眼前
でこれでもかと言わんばかりに繰り広げられる壮絶な作品です。 いや僕もね、いままで映
画を観て感動したり哀しかったりして涙を流した事は多々ありましたが、悔し泣きさせられ
たのはこの『ボーイズ・オン・ザ・ラン』が初めてでございます。 哀号!

・ 弱小玩具メーカーに勤める29歳のイケてないダメ男・田西敏行を演じるのは峯田和伸
青春と性春にまつわる衝動と焦燥を歌わせたら当代一の彼が 今作の主演を務めるという
のは、“幸福な結婚”としか言いようのない程のハマりっぷり。 すでに峯田氏は『アイデン
&ティティ
』や『色即ぜねれいしょん』等で、役者としても確固たる存在感を放っておりまし
たが、その評価は今作をもって決定的なものとなったのではないでしょうか。  もはや『
杏BOYZ
のフロントマン』というエクスキューズを全く必要としないほど、一人の優れた役
者として彼は 劇中で思いきり泣き笑いしておりました。あ、でもカラオケで岡村孝子の『
をあきらめないで
』を取り憑かれた様に熱唱するさまは、紛れもなくパンクシンガー・峯田
和伸
に戻ってましたけど(´∀`)

・ そんな峯田演じる田西クンが恋心を寄せる同僚のOL・植村ちはる役の黒川芽以が醸し
出す天然のエロスが、もう大変な事になっております。 かつてケラリーノ・サンドロヴィ
ッチ
監督の映画『グミ・チョコレート・パイン』においても、冴えない童貞男子のエロ妄想
を一手に引き受けるかの様なキャラクターを演じていた彼女ですが、グミチョコにおけるエ
ロスとは、所詮童貞ティーンエイジャーの想像の域を出ないような、言ってしまえば“可愛
げのあるエロス”だったワケですが、どっこい今作における黒川芽以のエロスは圧倒的な
リアルさをもって観る者(主に男子)の股間に訴えかけてくる、いわば“今そこにあるエロス”
なのです。…ナニ言ってるか自分でもちょっと怪しくなってまいりましたが、要はまぁそんぐ
らいヤバイって事よ。 つうかまさか黒川芽以のクチから『フェ○チオ』なんつう淫語が聞け
るとは思わなかっただよ。ちなみに先述した『グミ・チョコレート・パイン』には、峯田もAV
男優役でチョロッと出演しております。 性春あるトコロに峯田アリ、ですな。

・ で、田西が営業先で知り合うエリート営業マン・青山(松田龍平)ですよ。 俺ァこいつが
憎くて憎くてかなわん。 てゆうか『テメーブッ殺す!』ってな感じで劇中のキャラに殺意を
抱いたのって、実はすごく久しぶりな気がします。 そこまで感情を強く揺さぶられたって
事は、つまり演出や脚本の妙もさる事ながら、松田龍平の芝居に、観てるコッチがすっか
り乗せられてしまってたというワケですよね。 『恋の門』の頃と比べると、俄然演技に深み
と説得力が増したように思えます。 それにしてもこの青山って男、マジでムカつく。 好き
な女をゲーム感覚で横取りして、孕ませて、あまつさえリベンジを果たしに来た田西を逆
にボコボコにしちゃうんだもん。 圧勝ならぬ圧敗じゃないスか。 わしゃもう悔しゅうて悔し
ゅうて涙が…涙が止まらんかったとですよ! 

・ といった具合に、次から次へと救いの無い展開が押し寄せる『ボーイズ・オン・ザ・ラ
』ですが、そんな痛々しいドラマの中にあって、唯一の救いと云えるのが、田西を取り
巻く玩具メーカーの同僚や上司が垣間見せる“大人の優しさ”ではないでしょうか。 とり
わけリリー・フランキー演じる寡黙な社長・斎田のひと言『田西はクビにはさせません。
思う存分やってもらいます』はジーンと来たなァ。 『紅の豚』じゃないですけど、カッコイ
イとはこういう事をいうんだよなァなんて、しみじみ感じ入った次第です。 

・ そして今作の主題歌が銀杏BOYZの書き下ろした同名曲『ボーイズ・オン・ザ・ラン
なワケですが、何一つ報われる事のないまま結末を迎えた映画のラスト、モヒカン頭の田
西が傷だらけで駆けてゆくバックでこの曲が流れ出した瞬間、えもいわれぬ興奮と感動が
こみ上げて来ます。 不甲斐無さと敗北感と喪失感、そして無尽蔵のリビドーを抱えながら
『もう遅いか?』『もう一丁だ』とギリギリの自問自答を繰り返すこの曲は、この先いつまで
も世界中のダメ男子のハートを揺さぶり続けるに違いありません。 つうかこの曲を聴いて、
そしてこの映画を観て涙した男子!  君はきっと俺と親友になれるぜ! 

  
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/10/05(火) 14:05:20|
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駒木根隆介 みひろ / SR サイタマノラッパー

夕日と弘
ワケもなく藤岡弘


『SR サイタマノラッパー』



《あらすじ》
ライブハウスもレコ屋もない埼玉県北部の田舎町・フクヤ市に暮らす ダメなニートラッパ
ーのIKKU(駒木根隆介)は、仲間のTOM(水澤紳吾)やMIGHTY(奥野瑛太)等と共に結
成したヒップホップグループ=『SHO-GUNG』で、いつの日かステージに立つ事を夢見て
いた。 そんなある日、東京でAV女優として活躍していた高校の同級生の千夏(みひろ)
が帰ってきて…。  監督・入江悠。 


《極私的見解》

・ いやこれは文句ナシに面白かった。 一見してイロモノ的な匂いの漂う作品タイトルや、
元・AV女優のみひろ以外は ほとんど無名のキャスト陣のおかげで、観る側としてもか
なり斜に構えながら本作に臨んだワケですが、そんなネガティヴな先入観を打ち砕い
て余りある爆笑と感動が、この作品にはひしひしと息づいておりました。 あんまり面白
いモンだから、二日連続で今作を観てしまった程です。

・ まず何と言っても駒木根隆介演じるダメなニートラッパー・IKKUが発する絶妙にトホ
ホなオーラにヤラれました。 上から下まで一揃えしか持っていないヒップホップ・ファッ
ションに身を包み、埼玉の長閑な田園風景の中を リズミカルに身体を揺らしながら闊歩
していくIKKUの雄姿(?)が爆笑と哀愁を誘います。

・ かつて東京でAV女優として活躍していた高校の同級生・小暮千夏役のみひろの演
技も実にナチュラルで達者でした。 『ここ埼玉から 世界に向けて ソウル・トゥ・ソウル
メッセージ送ってんだよ』というIKKUのセリフに対し、みひろが『宇宙人かよ、お前』と
冷ややかに ツッこむ場面での 間の取り方の上手さなんかは 特筆モノ。

・ フクヤ市のお偉いさん方の前でIKKU・TOM・MIGHTYの三人でラップを披露する場面
は今作のハイライト。 腹筋がちぎれるんじゃねえかって位に笑えます。 特にMIGHTY
役を演じる奥野瑛太のお調子者っぷりたるや! 『いきいき』だとか『さわやか』といった
当たり障りの無い枕詞がよく似合う市政の現場でヒップホップをブチかますと、かくもカ
オスでトホホな磁場が発生するんですね。

・ 物語終盤、仲間だと信じていたSHO-GUNGのメンバーから『お前は俺等を笑わせるた
めの“ネタ”だ』と知らされるIKKU。 さらに追い討ちをかけるように、密かに思いを寄せて
いたみひろもフクヤの町を去り、失意のドン底に突き落とされた彼が、バイト先の大衆
食堂で かつての盟友・TOMに再会し、ラップで思いの丈を彼にぶつけるシーンはマジで
圧巻です。 日本でラップをやる事、日本語に乗せてラップをやる事の違和感やトホホ感
を さんざん体現し続けてきたIKKUが 何もかも失った地平から絞り出す渾身のライムは
ビックリする位にカッコ良くて、切実で、思わず泣かされてしまいました。 何つうのかな、
この『最初は 爆笑しちゃうんだけど、その内に考えさせられて、しまいには泣かされる』
っつう感覚って、どことなく岡村靖幸の曲の世界観に通じている気がします。 真剣だか
ら笑えるし、泣ける― この感覚を共有できるか否かで、今作の楽しみ方は大きく変わっ
てくるのではないでしょうか。

・ 最後に一点。 今作には邦題ならぬ英題なるモノが用意されておりまして、それがあの
エミネム主演の映画『8マイル』を自虐的にもじった『8000マイル』だってんだからシビ
れます。 ヒップホップの本場・アメリカから遠く8000マイル離れたここ日本に、果たして
真の意味でヒップホップカルチャーが根付く日が来るのかどうか、皆目見当もつきませ
んが、ただ一つ確かな事は、この『SR サイタマノラッパー』が まぎれもなく青春映画
の傑作であるという事です。 ひとつの夢を愚直に追いかけている最中の方に是非とも
観て頂きたい一本。  超オススメですぞ。

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/10/03(日) 23:18:55|
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松田龍平 西島秀俊 / 蟹工船

地獄大使
ワケもなく地獄大使


『蟹工船』

《あらすじ》
カムチャッカ沖で蟹を捕り、船上で加工缶詰を作る蟹工船の博光丸。 そこで働く労働者
は、監督・浅川(西島秀俊)の暴力と酷使に耐えながら、低賃金で重労働に従事していた。 
そんなある日、新庄(松田龍平)をはじめとする労働者たちは一斉に蜂起し、支配する者
に立ち向かおうとするが…。 原作・小林多喜二、監督&脚本・SABU


《極私的見解》

プロレタリア文学の旗手、小林多喜二の代表作=『蟹工船』が、およそ80年の時を
経てスクリーンに甦った!ってカンジの今作。 つうかプロレタリア文学とかって超懐か
しいですよね。 自分、高校ン時に地歴公民の中から日本史を選択してたモンですから、
なんか必死になってこの単語を丸暗記した記憶がございます。 その程度の認識ですか
ら勿論原作は未読。 ただ単に谷村美月ちゃんが出てるからっつう浅はかな理由でこの
たび鑑賞に至ったワケですが…うーん、どうなんだろ。  全然つまんなくはないけど、全
然胸を打つものも無かったというか。 うむむ。

・ 過酷な労働を強いる現場監督・浅川役に西島秀俊。 目の下辺りに特殊メイクで傷痕
をつけたりするのはちょっと演出過多なんじゃないの? などと思いながらも、妙に西島
秀俊
にしっくり来る役ではありましたね。西島秀俊の目はね、ありゃサディストの目です
よ。  あの死んだ魚のような目つきで『テメェ等にはクソ場の紙ほどの価値もねぇんだよ
!』とか非道いセリフをバンバン吐くんだもん。 マゾっ気のある女性とかにしてみれば、
コタエラレナイものがあるんじゃないでしょうかね。 フフ。

・ そんな暴君・西島秀俊の腰巾着的なポジションでキャンキャンとわめき散らしている
ヤクザ役に、大人計画皆川猿時。 つうかアレですよね、皆川猿時と 今作の主役
である松田龍平の組み合わせって、どっかで観た事あるなぁとか思ったら、『恋の門
で共演してたんでしたっけ。 恋の門…色んな意味でディープな作品でしたよね。 さら
に言っちゃえば松田龍平新井浩文っつう組み合わせも『青い春』のコンビだったりし
て、何だか妙に既視感めいたキャスティングではありました。

柄本時生TKO、そして山本浩司 などなど、いかにもって感じの“ブルーカラー顔”
がズラリとガン首を揃える中にあって、高良健吾の見目麗しさが段違いで際立ってお
りました。 でもさ、高良健吾の妄想シーンの中にしか谷村美月たんが出てこなかっ
たのには正直ガックリ。 しかも総出演時間が1~2分程度の激チョイ役。 何だよもう。

・ 『人生を安売りする者に、人生はそれ以上の支払いはしない!』っつう松田龍平の一
言は、けだし名言だと思います。 で、こんな感じで労働者を巧妙にアジりながら、ストラ
イキ決行へと至るワケですが、こん時に労働者全員で同じシンボルマークを施したバン
ダナを巻いたのは いただけなかった。 なんだか販促用のグッズみたいで、途端に安っ
ぽく見えてしまいました。

SABU監督は『現代を生きる若者すべてに贈る』と鼻息を荒げていたそうですが、僕
もギリギリ現代を生きる若者なんスけど、どうにもこの映画は胸に響かなかったなあ。 
メッセージどうこうっつう以前に、上述した様々な要因(西島秀俊の大げさな目の下の
キズや、シンボルマーク入りのバンダナ等)が、物語からリアリティを殺いでしまってい
るように思えたのです。 それと、劇中の労働者達は、超過酷とはいえ仕事にありつけ
ているワケで、働きたくても働き口の無い、超就職氷河期の真っ只中を往く現代の若
者が抱える苦悩とは、根本的に種類が違いますよね。 だからイマイチ共感できなか
ったのかもしんない。 まぁでも、西島秀俊に大声で怒鳴られたり蹴飛ばされたりした
いっつうイビツな願望を抱いた女性の方々には激しくオススメの一本でございます♪ 


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  1. 2010/07/12(月) 01:28:57|
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松山ケンイチ 麻生久美子 / ウルトラミラクルラブストーリー

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ワケもなくにわかせんぺい


『ウルトラミラクルラブストーリー』

《あらすじ》
青森で農業を営みながら一人で暮らす水木陽人(松山ケンイチ)は、心は少年のように
純粋だが、全く落ち着きがなく、周囲をはらはらさせてばかりいた。 ある日陽人は、ワケ
あって東京からやって来た保育士の町子先生(麻生久美子)と出会い、一目で恋に落ち
る。 町子が青森に来たのはカミサマ(藤田弓子)と呼ばれる占い師に会うためであった。
生まれて初めて恋をした陽人は町子先生に猛アタックを仕掛けるが、まったく相手にされ
ない。 やがて陽人は、あるとんでもない行動に出る…。  監督&脚本・横浜聡子


《極私的見解》

・ 『何とまぁペラそうな内容のタイトルなんだ…』ってのが『ウルトラミラクルラブストーリ
』っつう題名に対する、私の第一印象でした。 こちとら“ラブストーリー”っつう単語がタ
イトルに冠されただけでも 少なからず身構えてしまうってのに、“ウルトラ”で、しかも“ミラ
クル”でしょ? 過剰すぎるっつうか何つうか、とにかく観る前は、この作品に対してネガテ
ィヴなイメージしか抱けなかったってのが 偽らざる本音でございます。 しかし!そのファ
ースト・インプレッションは見事に打ち砕かる事に。 とんでもない映画ですぞこれはっ。

・ 純粋で天真爛漫な青年、水木陽人を演じるのは、青森県出身の松山ケンイチ。 全編
オール青森ロケ&津軽弁を謳っている今作の主役にうってつけの人選と言えましょう。 た
だでさえ自然な松ケンの演技が ネイティヴな津軽弁と相まって、もはや完全に水木陽人
というキャラクターになりきっているといった感じです。  松山ケンイチってよく“憑依型の
俳優”などと形容されますが、まさしく今作は“憑依”という表現がジャスト。

・ 東京からやって来た保育士の町子先生役に麻生久美子。…あの、たぶんこれってボク
だけじゃないと思うんですけど、『マチコ先生』って言ったら、取りも直さず『まいっちんぐマ
チコ先生
』を連想しちゃいますよね。『ボインにタ~ッチ!』とか言って。 フフ。 今にして思
えば、あの程度のお色気で下半身を熱くたぎらせていた、幼い頃の自分が愛しいッス。

・ 物語中盤、交通事故で首を失った町子先生の元カレ=要(かなめ)と陽人が、道ばたで偶
然出会うシーンが超シュール。 果たしてこのシーンは陽人の見た夢もしくは幻覚だったの
か、はたまた彼の強い思いが引き寄せた“奇跡”なのか? その辺は はっきりとは語られま
せんが、はっきりとしない方がイイと思います。 都市伝説なんかと一緒で、虚実入り乱れて
初めて魅力的になる事柄ってありますもんね。 ちなみにこの首なしの元カレを演じるのは
RATA
。 ARATAって、何気に麻生久美子との共演が多いんですよね。 『青い車』もそ
うでしたし、『真夜中の弥次さん喜多さん』でも 地味に夫婦役でした。

・ この映画の詳しい顛末や奇妙奇天烈なラスト(いやマジで)について ここで詳しく書くような、
そういった野暮なマネは致しません。 こらもう各自の目で確認して頂くのがイチバンかと思い
ます。 その上で『スゲェ…』となるも良し、『なんなんだよあのラスト! 全然ワケ分かんねえ
よ!』と憤慨するも良し。いずれにせよ、既存の概念に少なからず揺さぶりをかけて来る衝撃
の結末である事は確実なんじゃないかな、と。 ただ、一点だけ申し上げるとすれば、『脳ミソ
なくても 心臓止まっても、わー(俺)は生きてるぞ』という陽人のセリフに、この作品の本質が
凝縮されているのではないかと思います。脳ミソや心臓といった煩雑な器官に頼らずとも、水
と光と農薬(これポイント)さえあれば力強く育っていく事のできる植物のシンプルな在り方こそ、
陽人の目指す“進化”の果てにある、究極の理想だったのではないでしょうか。


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  1. 2010/07/10(土) 15:47:50|
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星野真里 江口のりこ 坂井真紀 / 私は猫ストーカー

2足歩行
ワケもなく二足歩行


『私は猫ストーカー』

《あらすじ》
イラストレーター志望のハル(星野真里)の日課は、ひたすら猫の後を追いかける“猫
ストーカー”。 彼女のアルバイト先である古本屋『猫額洞』にも“チビトム”という名前
の看板猫がいて、寡黙な店主(徳井 優)と奥さん(坂井真紀)にかわいがられている。 
そんなある日、突然チビトムが姿を消してしまう…。  原作・浅生ハルミン


《極私的見解》

・ 自称“猫ストーカー”のハルが路地から路地へとひたすら猫を探し求めるという、ま
さしくタイトルに偽り無しの1本。  手ブレの激しい画面がドキュメンタリーっぽい雰囲
気を後押ししていて、観ている内に自分も猫たちの後を尾けている様な臨場感(?)を
味わえます。 

・ ハルを演じるのは星野真里星野真里を観るたびに思うんですけど、彼女ってホ
ントにアパートが似合いますよね。 高層マンションとかじゃなくって、生活感丸出しの
アパート。 たしか『さよならみどりちゃん』や『空気人形』の時もアパート住まいでした。
くたびれたアパートが似合う女子って 逆にオシャレだと思うんですけど、どうでしょ?

・ 古本屋を営む夫婦役に徳井優坂井真紀。 この組み合わせが妙にハマっている
という事は、坂井真紀嬢もすっかりお年を召されたという事に他ならないワケでして、
たとえばこれが10年前とかだったら、このキャスティングはあり得なかったでしょうね。 
坂井真紀さん、すごくチャーミングな年の重ね方をされてると思います。

・劇中で登場する古本屋・猫額洞(びょうがくどう)は、なんでも実在する古書の店な
んだとか。 看板の文字の絶妙な素朴さといい、文字通り“猫の額ほどしかない”狭い
店内に古今東西の本がひしめきあっている感じといい、古本屋好きの僕の琴線に触
れまくりなたたずまいが素敵です。 古本屋のナニが好きかって、カビやらホコリやら
が入り混じったあの独特の匂いですよ(*゚∀゚)=3ハァハァ

・ ハルの元・恋人と思しき男性から、『来年結婚します』のメッセージと共にリンゴが送
られて来たり、古本屋の店主がはるか昔に恋人に贈った本が めぐりめぐって手元に
戻って来て、それをきっかけに夫婦仲がビミョーになったりと、猫ストーカーの日々の
行間を埋めるように、色々な事件(ってほど大げさなものではありませんが)が起こりま
すが、その描かれ方はいずれも拍子抜けする程あっさりしております。 人によっては
淡白すぎるという感慨を抱くかもしれませんが、僕的にはこの 微妙に隔たりを感じさせ
る人物描写が逆に心地良かったですね。 

・ ハルの住むアパートの大家さん役として、ごぞんじ国民的アニメ『サザエさん』のフ
ネ役の声優・麻生美代子さん。 “品のいい 白髪のおばあちゃん”といった感じで、ま
さにフネのイメージそのままの方でした。 

・ …手前ミソなハナシで恐縮なんですけど、僕達も『のらネコミック』っつう猫の漫画を
細々と描いております。 猫ストーカーのハルが野良猫と ひたすら戯れる様な感じで
のんびりまったり読める内容ですので、よろしければ御一読くださいませ(^・ω・^)


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  1. 2010/07/03(土) 12:36:39|
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小西真奈美 村上 淳 岡田義徳 / のんちゃんのり弁

いきいきサロン
ワケもなく集会


『のんちゃんのり弁』

《あらすじ》
自堕落で甲斐性無しの夫(岡田義徳)と離婚した小巻(小西真奈美)は、小学生の娘・乃
里子=のんちゃん(佐々木りお )を育てる為に小料理屋で働きながら、夢である弁当屋
開業に向かって持ち前の前向きさで明るく頑張っていく…というあらすじ。


《極私的見解》

・ 『のり弁』や『さばの味噌煮込』など、美味しそうな料理が次から次へと出て来る映画です。
 特に小料理屋・ととやの主人(岸辺一徳)が作る“イカとトマトの肝バター焼き”!これは是
非とも食べてみたい!

・ うだつの上がらない亭主役に岡田義徳。  岡田義徳クンって、笑うと歯グキが飛び出る
んですよねぇ。

小西真奈美の初恋の相手役が村上淳。  小西真奈美村上淳が同級生って設定は、
年齢的に少々無理があるのでは…? そういえばこの二人、魚喃キリコ原作の映画『blue
でも共演してましたよね。

・ 酔っぱらった小西真奈美村上淳に電話をかけるシーンがあるんですけど、こん時の
コニタンが超カワイイ! キュン死に必至ですぞ!(*゚∀゚)=3ハァハァ

・ 『居場所じゃなくて行き場所が見えたんです!』というセリフもグッと来ました。 ポジティブ
な、イイ台詞だと思います。

・ チョイ役で田中要次氏も出演。 工場長ライクな服装が異様に似合っておりました。 余
談ですが、平泉成氏も現場監督とか工場長みたいな役柄が異様に似合いますよね。  

・ 夫と復縁もせず、新たな恋も振り切って、ひたすらに仕事に打ち込む小西真奈美の姿は、
同世代のアラサー女性の胸を打つやもしれませんが、それ以外の人にとっては いまいちカ
タルシスに欠ける展開なんじゃないかな、と。  

・ 主題歌を歌うのがスネオヘアー。  『セイコウトウテイ』や『ウグイス』の頃と全然 歌声
が違っていて、すぐにスネオヘアーだと気付けなかった程でした。 個人的には昔の声質の
方が好きだったなあ。


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  1. 2010/06/30(水) 19:43:15|
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堺雅人 松雪泰子 満島ひかり / クヒオ大佐

逮捕
ワケもなく逮捕


どうも。 ギャグ漫画ゲリラ・中川ホメオパシーの三好銀担当、ブロッケンです。

吉田大八監督の映画『クヒオ大佐』を観ました。

時は湾岸戦争真っ只中の1990年代初頭。 ジョナサン・エリザベス・クヒオ(堺雅人
は、自分はアメリカ海軍第5空母航空団のパイロットで、カメハメハ大王やエリザベ
ス女王とも血縁関係にあたるなどと吹聴し、次々と女性達から金を騙し取っていた。
しかし、本当の彼は生粋の日本人で、華麗な経歴もすべて自らの創作に過ぎなかっ
た…というあらすじ。 実在した結婚サギ師をモデルにした“創作”ラブコメディです。

いや、すごく面白かったです。 まずは何と言っても、世紀の結婚詐欺師・クヒオ大佐
役に堺雅人氏を抜擢したという、その絶妙すぎる人事に拍手を送りたい。 『柔らかな
物腰の善人』的な役柄を演じさせれば、いまや右に出る者がいないほど 映画界にお
いて確個たるポジションを獲得した感のある氏ですが、その爽やかなスマイルの裏側
に何やら不埒なオイニーを(勝手に)嗅ぎ取っていた私としては、この『クヒオ大佐』は
まさに渡りに船とでもいいますか、『こんな堺雅人が観たかったんだよ!』という願望
を120%充足してくれる傑作でしたね。

海軍のユニフォームに身を包み、コントみたいなカタコトの日本語で甘い言葉を囁い
ては、次々と女性達のハートを射止めていくクヒオ大佐ですが、その姿がとにかく胡
散臭くて笑えるんですよ。 特に、松雪泰子演じる弁当屋の女社長・しのぶと一夜を
共にした時に吐いたセリフ『キモーノ(着物)の下は ブラジャーを着けないんだねェ』に
は大爆笑させられました。 そんなキメキメの顔でセクハラじみた事言われてもなぁ。 
ほかにも、世界情勢を学ぶために マンガ『沈黙の艦隊』をボロボロになるまで読みな
さいとか言ったり、『父親はカメハメハ大王の末裔で 母親はエリザベス女王の妹の夫
のいとこ』と言い張ったりと、絵に描いたようなペテン師ぶりを これでもかと見せつけ
てくれるワケですよ。 うーん、タマラン。

そんな出来の悪いブラフをいちいち真に受けて目を輝かせる松雪泰子がまたいじら
しいんだ。 今まで仕事一筋に生きてきて、恋愛らしい恋愛はほとんどして来なかった
女性っつう設定なのですが、松雪さんのゴージャスな顔立ちに、そういったイケてない
女性像は似つかわしくないんじゃないかなって、観る前なんかは思ってたんですけど、
まったくの杞憂でしたね。 日々の生活に追われる、お人好しの四十女を見事に演じき
っておりました。 彼女に限らず、今作に登場する女性キャスト陣は、おしなべて素晴
らしい演技だったと思います。 

自然科学館の学芸員・春を演じた満島ひかりの、どこかふてくされた様な仕草も実に
キュート。 ハードコア娯楽超大作『愛のむきだし』の時は、パンチラ全開(!)で終始
ハイテンションな演技を貫いた満島ひかり嬢でしたが、今作のようにあまり感情をむ
きだしにしない フラットな役どころもキッチリこなせる辺りに、女優としてのポテンシャ
ルの高さを感じます。

クヒオ大佐が自分の生い立ちを訥々と語る場面も、胸にグッと迫るモノがありました
ね。 このとき語られる彼の過去は、ほとんどがデタラメなのですが、そのデタラメな
思い出の隙間から、幼い頃の彼の願いや祈りが垣間見えて、思わず目頭が熱くなっ
た次第です。 フフ。最近はめっきり涙もろくなったモンでね。 

監督の吉田大八氏はおそらく、“暗い過去を背負った人間が 周囲の人々にたくさん
迷惑をかけながら、それでも必死に生きていこうとする姿”が好きなんだと思います。
前作『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』における佐藤江梨子も、まさにそんなキ
ャラクターでしたし。 そういった、いわば“人間の業”のような局面に肉薄しながらも、
あくまで軽やかさとユーモアを忘れない吉田監督のその平衡感覚を、私は断固支持
したいですね。  

あ、最後に一点。 今作の主題歌を担当したのが、“東洋一のサウンドマシーン”こと、
我らがクレイジーケンバンドなワケですが、クレイジーケンバンドが体現し続ける
“洒脱さと胡散臭さが共存した世界”って、そのまんまクヒオ大佐のイメージにピッタ
リですよね。 ナイスな選曲だと思います。  VIVA!女性!


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  1. 2010/06/13(日) 22:29:47|
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小泉今日子 浅野忠信 相米慎二 / 風花

釣り
ワケもなくフィッシング


毎度です。 ギャグ漫画ゲリラ・中川ホメオパシーの堂島孝平担当、ブロッケンです。

相米慎二監督の映画『風花』を観ました。

故郷に子供を置き去りにしてきたピンサロ嬢のレモン(小泉今日子)と、性格も酒グセも
最悪のエリート官僚の廉司(浅野忠信)。 自分の居場所を失った二人が出会い、成り
行きまかせでレモンのふるさと・北海道を旅する、せつない大人のロード・ムービーです。

1980年の『翔んだカップル』で映画監督としてのキャリアをスタートさせた相米慎二
が、2001年に他界するまでに世に送り出した作品の数は全部で13作。そしてこの『風花
は、その内の13作目、つまり遺作にあたる作品です。

風花”とは、冬から春へと向かう晴れた日に、まだ雪の残る山肌を撫でて飛んでくる細雪
(ささめゆき)の事なんだとか。 それと同時に『風に舞う花びら』といった、字面通りのイメー
ジも喚起させる、イイ言葉ですよね。 事実この物語も、桜舞い散る夜明けの公園からスタ
ートして、最終的に北海道の雪原に辿り着くワケで、“花”と“雪”のイメージを併せ持つ“
”という言葉は、まさに本作にピッタリなんじゃないかな、と。

酒にまつわるスキャンダルのせいで失脚したエリート官僚・廉司を演じるのは浅野忠信。な
んでも浅野忠信氏は、実生活では滅多にお酒を飲まないらしいのですが、そんな事など微
塵も感じさせないほど見事な(?)ヨッパライぶりを披露しておりました。役者だなぁ。  で、こ
の廉司ってのがまた心底ダメダメな男でして、上述した通り性格も酒グセも最低最悪、おま
けにインポテンツだってんだからもう大変。そんな彼の愚息を元気づけるべく、麻生久美子
浅野忠信の目の前で自慰に耽るシーンがあるんですけど、ここはマジでコーフンしました
ね(*゚∀゚)=3ハァハァ  …結局、浅野氏のアレは勃ちませんでしたが、おかげさまで僕の愚息
はビンビン。 やだもう(*´▽`*)

人生に疲れた風俗嬢・レモンを演じるのは小泉今日子。 キョンキョンって、その快活なパ
ブリック・イメージとは裏腹に、どこか闇や疲弊感をひきずった役柄に抜擢される事が多い
ですよね。『トウキョウソナタ』もそうでしたし、『グーグーだって猫である』も、さりげなく“死”
について考えさせられる内容でした。

そんな二人が、ピンク色のレンタカーで北海道をあてどもなく旅するワケですが、雄大で解
放感に満ちた北の大地!的な浮き足立ったムードは皆無で、むしろ地方都市特有の閉塞
感や寂寥感の方がより際立っていました。 このドン詰まり感が、主役二人の寄る辺ない心
模様と絶妙にリンクしていたと思います。

相米慎二氏といえば、役者を極限まで追い込む演出方法や“ワンシーンワンカットの長廻
”といった数々の“伝説”とワンセットで語られる事の多い監督ですが、この“風花”は、そ
ういった大仰さとは一線を画したシンプルな味わいに仕上がっております。ただし、レモンが
雪山で自殺を図る直前に、やおらダンスを踊り始める場面の唐突さなどは、いかにも相米監
督らしい演出ですよね。 ここでいう“相米監督らしさ”とは、理屈やリアリティを飛び越えて直
接感情に訴えかけてくる演出―という意味で、その最たる例が『台風クラブ』における“オカリ
ナ”のシーンではないでしょうか。  

キョンキョンが雪原で舞い踊るシーンで使われる、印象的な音楽を担当したのが大友良英
氏。なんでもこの曲、笙(しょう)とベトナムの一弦琴に電気的な処理を施して完成させたもの
なんだとか。 ちなみに大友良英氏は、魚喃キリコ原作の映画『blue』の音楽も担当してお
り、そちらの方も実に素晴らしい内容でした。

それから、スタッフロールにちょこっとだけ登場するカエルの声が 実は笑福亭鶴瓶だったの
も、無闇に豪華で笑えました。 このカエルは、レモンが娘の元へ帰ってきたという意味の“帰
る”とかけた、相米監督なりのシャレだったのかな。  どうなんだろ?


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  1. 2010/06/02(水) 18:55:01|
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香川照之 小泉今日子 井之脇海 / トウキョウソナタ

空中浮遊
ワケもなく空中散歩




毎度です。 ギャグ漫画ゲリラ・中川ホメオパシーのハルカリ担当、ブロッケンです。

黒沢清脚本・監督の映画『トウキョウソナタ』を観ました。 素晴らしかった。

東京都心に狭いながらもマイホームを構えて暮らす佐々木一家。 しかし父・竜平(
川照之
)は、長年勤めてきた会社からある日突然リストラを宣告され、途方に暮れる。
その事を家族に気取られないように、失職後も会社に通うフリを続ける竜平。 そんな
彼の事情など知る由もない次男の健二(井之脇海)は、ピアノを習いたいと両親にせが
み、続いて長男の貴(小柳友)が米軍に入隊する事を唐突に告げる。  少しずつ家族
内に広がっていく不協和音。 その中心に取り残された母(小泉今日子)の心に空いた
穴もまた、じわじわと大きくなっていくのであった…というあらすじ。

日本ホラー映画界の巨匠・黒沢 清が最新作で挑んだのは、なんと意外にも家族ドラ
マ。平凡な家族に訪れた、平凡な悲劇とその顛末を淡々と、そして迫真のリアリティー
をもって描いた傑作だと思います。

一家の大黒柱である父親・竜平を演じるのは香川照之。 突然のリストラを境に、社会
的な地位や家族内における権威をいっぺんに失ったにもかかわらず、なおもそれらに
固執しようとする中年男の、悲哀に満ちた“現実”を見事に体現しておりました。

香川照之が“現実”の象徴であるとすれば、世界の―そして日本の平和を守るために
米軍入隊を志す長男・貴はさしずめ“理想”の、そして並外れたピアノの才能を有する
次男・健二は“可能性”の象徴といったトコロでしょうか。

そして、家族とは“理想”と“現実”と“可能性”が一堂に会し、それぞれの立場から一方
的な主張をするだけの、いわば“ディスコミュニケーションの現場”であるという、諦観め
いた視点。 これこそが今作のムードを決定付けているように思います。

そんな閉塞感に満ちた家族の中心にポツリと取り残され、自らの預かり知らぬトコロで
全ての物事が進んでいくような空虚感に苛まれる母親(小泉今日子)。 彼女が家族の
為に作り、そして誰からも食べられる事の無かったドーナッツは、そのまま彼女の心に
ポッカリと空いた穴のようです。

黒沢清氏は、一貫して“恐怖”にこだわり続けてきた監督ですが、そのこだわりは今作
においても健在。  香川照之と時を同じくしてリストラの憂き目にあった同級生(津田
寛治
)の、『俺等って、ゆっくり沈んでいく船みたいだよな。 救命ボートなんかとっくに
行っちゃっててさ』という言葉からは、絶望的な状況を打開する手段など何ひとつ見つ
からないまま、ただ静かに終わりを待つしかないという、なぶり殺しにも似た恐怖を読
み取る事ができましょう。  そしてこの恐怖は、幽霊や妖怪の類がもたらす恐怖とは
比べものにならないほど多くの人々の命を奪っているという事は言うに及びません。

このように、物語は終始重苦しいムードで進んで行きますが、強盗に扮した役所広司
が佐々木家に押し入るシーンだけは、なぜか妙な可笑しさがありました。 極限状況の
おかしなテンションのまま小泉今日子を人質にとり、盗んだクルマであてもなく走り出
役所広司。 そのとき盗んだクルマというのが、小泉今日子が以前から乗ってみた
かったオープンカーだったってんだから、まさしく泣き笑い状態。 でも、人生って意外
とそういうモンなんスよね。 イイ事と悪い事って、大体ペアでやって来るんだよなぁ。

…それにしても、『家族ゲーム』や『歩いても歩いても』、あるいは『逆噴射家族』など
など、“壊れかけの家族”を題材にした映画って、どれもメチャクチャ面白いのはどうし
て? みたいな事を考えてたら、もっかい『家族ゲーム』が観たくなってきました(´∀`)


 
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  1. 2010/05/18(火) 12:13:28|
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麻生久美子 加瀬亮 風間杜夫 / インスタント沼

河童





どうも。 ギャグ漫画ゲリラ・中川ホメオパシーの乱反射ガール担当、ブロッケンです。

三木聡脚本・監督の映画『インスタント沼』を観ました。

ジリ貧でリアリストのOL・沈丁花ハナメ(麻生久美子)は、自らが手がける雑誌が
廃刊に追い込まれたり、母親(松坂慶子)が沼に落っこちて生死の境をさまよった
りと、文字通り“ドロ沼”な毎日を送っていた。 ひょんな事から手に入れた一通の
古い手紙を頼りに、ハナメは生き別れの父親かもしれない男・沈丁花ノブロウ(
間杜夫
)の元を訪ねる。 骨董屋を営むノブロウのイイ加減な性格に呆れっぱなし
のハナメ。 しかし、次第にハナメ自身も骨董に興味を持ちはじめ、ついに自ら骨
董屋を開業する事を決意する。  しかし、なかなか商売が軌道に乗らず、クサる
ハナメ。 そんなハナメに対してノブロウは、『物事に行き詰まったら 水道の蛇口
をひねれ!』という謎の教えを伝授する…というあらすじ。

ドラマ『時効警察』シリーズをはじめ、三木 聡監督の関連作品は、ほとんどチェ 
ックしております。エッヘン。 で、前作『転々』も、三木監督の持ち味である脱力
ユーモアとおびただしい蛇足、そしてほんの少しのせつなさが絶妙にブレンドされ
た、大好きな作品でした。 そして今作『インスタント沼』ですが…うーん、思って
た程グッと来なかったんだよなあ。
 
もちろん随所に散りばめられた小ネタの数々にはいちいちニヤリとさせられました
し、三木作品にゆかりのある個性派キャスト(岩松了ふせえり江口のりこ
野高史
ほか)もズラリ総出演だし、主演の麻生久美子はオシャレでカワイイしで、
決して退屈だったって訳じゃないんスけど、なぜか胸に残るモヤモヤ感。

加瀬亮演じる草食系パンクロッカーの“ガス”も、“あの加瀬亮が、こんなトンガっ
た格好をしてる”というギャップ以外に、取り立てて面白味の無いキャラで、胸の
モヤモヤはさらに加速する始末。 うーむ。

“無意味である”という事を徹底的に追究するのが三木作品の特徴で、それこそ
がボク的に一番シビレるポイントだったりするんですけど、この『インスタント沼
に関して言えば、いまいち無意味指数が低いように感じたんですね。 ついでに
言えば不謹慎指数も低かった。 で、それらが低下した分だけ新たなサムシング
が作品に付加されていたかっつうと、正直そんなんでもなかったりして、その辺り
のどっちつかずな感じが、胸のモヤモヤを誘発してたんだと思います。

久しぶりに再会した憧れの先パイが、見るも無残なうすらハゲになってたり(亀は
意外と早く泳ぐ
)、手首のリスカの傷痕を利用してワサビをすりおろしたり(図鑑に
載ってない虫
)といった、“意味なんか無いし、笑ってイイ所なのかどうかも怪しい
んだけど、笑わずにはいられない”シチュエーションを描く天才=三木聡のデタラ
メなユーモア・センスを、遠慮せずにもっともっと見せつけて欲しかった。 そうす
れば胸のモヤモヤなんか 一瞬で消し飛ぶのに…みたいな気持ち悪いポエムを、
彫刻刀かなんかで教室の机に刻み付けたい。 そんな気分でございます。 

…あ、でも松阪慶子が映画の冒頭で何気なく言った『たまには、ありえないモノ
とか見なさいよ?』というセリフは、何故かジーンと来ました。 つうか俺も、ありえ
ないモノとか沢山見たいですよ。 たとえば…UFOとかぁ、幽霊とかぁ、つかみあ
いの大ゲンカしてるW浅野とかぁ、手ェつないで空中遊泳してるW浅野とかぁ。


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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画

  1. 2010/05/15(土) 13:59:37|
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